注文住宅を建てる際の間取りのポイントは？

注文住宅を建てるにあたり、押さえておきたいのが「間取り」の知識です。何となく、で間取りを決めてしまったり、見栄え重視の間取りを選んでしまったりすると、いざ住み始めてから後悔することも。家づくりを成功に導くため、間取りの決め方について学びましょう。

間取りで失敗しないための注意点

生活動線

生活動線とは、家の中で人が行き来する際の通り道を表す線のこと。この生活動線が複雑であったり、長すぎたりすると、実際に住み始めた際にムダな動作が増え、暮らしにくさに繋がってしまいます。反対に、生活動線を意識した適切な間取りで家を建てれば、どんな動作もスムーズにこなせる快適な住まいを手に入れることができるでしょう。

水回り

健やかな暮らしを維持する上で、特に重要な役割を担うのが水回り。料理や洗濯、入浴などをより快適に行えるよう、動線を意識して入念に計画を立てる必要があります。

例えばトイレや浴室は、落ち着いて過ごせるよう人の目や気配が気にならない場所に配置するのが正解です。また、洗濯機を置いたり、アイロンがけを行ったりするランドリースペースをバルコニーや物干しスペースの近くに配置すれば、日々の洗濯をぐっと楽にこなせるようになるでしょう。

日当たり

日の差し込み方によって、部屋の印象はガラリと変わります。すべての部屋を日あたりの良い状態にするのは現実的ではないため、家族のライフスタイルや周辺環境を考慮しながら優先順位を決めましょう。採光があまり必要ではない部屋の例には、トイレや浴室、寝室などが挙げられます。

生活音

生活音が周囲の部屋に漏れてしまうと、「勉強などに集中できない」「眠りにくい」「プライバシーが守れない」といった問題が生じます。部屋と部屋はできるだけ隣り合わないよう配置する、リビングと隣接する部屋がある場合は防音壁の導入を検討するなど、ストレスなく過ごせるような工夫を取り入れましょう。

場所ごとにポイントをチェック

台所

• 独立タイプか、対面タイプか
• 置きたい家電や家具の位置
• 収納の量と位置
• 勝手口の有無と位置
• コンセントの数と位置

まず考えたいのが、キッチンを独立（クローズド）タイプにするか、対面（オープン）タイプにするかです。独立タイプには「キッチンが散らかっていても他の部屋から見えない」「料理に集中できる」、対面タイプには「家族と会話しながら料理を作れる」「配膳や後片付けがスムーズ」といった具合に、それぞれ異なるメリットが。また、収納は足りているか、置きたい家電に対してコンセントの数が足りているか、台所と外を繋ぐ勝手口は必要かといった点もしっかり詰めていきましょう。

玄関

• 玄関の広さ
• 収納の量
• 換気装置の有無

家の出入りをスムーズに行えるよう、玄関のスペースは広めに確保しておくのがおすすめです。どうしても広くするのが難しい場合は、吹き抜けや窓を設けて開放感を演出するという手も。

靴や傘、掃除道具などをきちんと片づけられるよう、収納にも留意を。近年では、自転車やベビーカーなども収納できる大型のシューズクロークを設ける家庭も増えています。湿気やニオイがこもらないよう、換気の工夫も忘れずに。

階段

• 階段の位置
• 階段の種類

家のどこに階段を設置するかによって、住まいの印象や動線は大きく変わります。玄関前などに配置すれば「居室を広く保てる」「プライバシーを保ちやすい」、リビングなどの家の中心に配置すれば「家族の交流を促せる」といった具合に、場所によって異なる利点が見込めます。

直線階段や螺旋階段など、階段の種類にも注目してください。階段に割ける面積や昇降時の安全性を考慮して、自分と家族にもっとも合うものを選びましょう。

間取りを決める際の注意点

施工会社と細かい相談を

家づくりの成否は、施工会社とのコミュニケーションにかかっていると言っても過言ではありません。希望通りの家を作るポイントは、自分がどんな間取りをイメージしているか、何を重視したいかをはっきり言葉にして伝えること。プロの目線からのアドバイスも貰いつつ、施工業者と二人三脚で細部を詰めていきましょう。

予算内に収まるように

自分の理想をすべて間取りに反映すると、費用が大幅に嵩んでしまうこともあります。あらかじめ自分の中での優先順位を決めておき、予算を越えないよう冷静に計画を立てましょう。